Z世代・α世代のウルトラファストファッションへの関心度調査
皆さんは、ウルトラファストファッションブランドの服を買ったことがありますか?
インターネット通販は便利ですが、時々SNS等で安いと話題になるショップを見聞きするかと思います。安さの裏に潜んでいる環境問題について考えたことはありますか?
今回は、ウルトラファルとファッションに関するアンケートの結果をもとに、Z世代・α世代のファッションから見る環境への関心度について皆さんにご紹介します。
調査期間:2025年9月9日~9月15日
SNSやネットで安いと話題になったSHEIN(シーイン)やTEMU(テム)等のウルトラファストファッションブランドの服を買ったことがあるか

Z世代の約64%がSHEINやTEMUなどのウルトラファストファッションブランドの購入経験があると回答しており、過半数を超えている。これは、Z世代がこれらのブランドのターゲット層として非常に高い割合で利用していることを示している。
α世代はZ世代よりも若い年齢層(概ね2010年代以降生まれ)であるため、まだ自分自身で積極的に衣服を購入する機会が少なかったり、購買決定権が親にあるケースが多いと考えられる。親世代が、ウルトラファストファッションの品質、環境負荷、労働環境といった側面を考慮して購入を控えている可能性も十分に考えられる。
とても安いけれどすぐにダメになる服と、ちょっと高いけれど長く使える服、どちらを選ぶか

両世代ともに「とても安いけれどすぐにダメになる服」を選ぶ割合は1割強と低く、このタイプの服を積極的に選好する人は少ないことが分かる。意識の上では、安かろう悪かろうを好むわけではない、と言える。
Z世代の約50%が「ちょっと高いけれど長く使える服」を選ぶと回答しており、最も高い割合を占めている。これは、Z世代が持続可能性(サステナビリティ)や品質を重視する傾向があることを示唆していると考えられる。
α世代の半数である50%が「そのときによる」と回答しており、特定の選択肢に偏らない柔軟な姿勢が見られる。これは、α世代がまだ若く、自身のファッションスタイルや消費価値観が確立途上にあることを示唆している可能性がある。あるいは、服の購入に関する決定権がまだ親にあり、その時々の状況や親の判断に左右されることが多いのかもしれない。
流行している服(みんなが着ている服)と、自分が気に入ったデザインの服、どちらを選ぶか

両世代ともに「自分が気に入ったデザインの服」を選ぶ割合が非常に高く、個人の好みを重視していることが分かる。これは、他者の評価や集団的な流行よりも、自身の感性や好みをファッション選択の最優先事項としていることを示している。
また両世代ともに「流行している服」を選ぶ回答が少ない。これは、「みんなが着ているから着る」という同調圧力や集団志向のファッション観が、これらの若い世代にはほとんど存在しないことを強く示唆している。
ウルトラファストファッションはたくさんの服が作られてすぐに捨てられるので、地球にゴミがふえることが問題となっていますが、どう思うか

α世代、Z世代ともに「あまり問題ではないと思う」「全く問題ではないと思う」と回答した人はいなかった。これは、ウルトラファストファッションによるゴミ問題について、両世代とも何らかの形で問題意識を持っていることを明確に示している。
「とても問題だと思う」と「少し問題だと思う」を合わせた「問題だと認識している」層は、α世代で約82%、Z世代で約77%と、いずれも大多数を占めている。現代の若い世代が環境問題、特に身近なファッションによる影響について高い関心を持っていることが伺える。
もし少し高くても、環境にやさしい服があったら、そちらを選ぶか

α世代、Z世代ともに「環境にやさしい服を選ぶ」または「おそらく環境にやさしい服を選ぶ」と回答した人が7割を超え、非常に高い割合を示している。
これは、前回のアンケートで示された「ウルトラファストファッションによるゴミ問題に対して問題意識を持っている」という高い環境意識が、具体的な購買行動の意向にもつながっていることを強く裏付けている。
まとめ
今回のアンケートから、
・Z世代は、低価格で多様なトレンドアイテムを提供するウルトラファストファッションを積極的に利用する一方で、品質、持続可能性、そして何よりも「自分らしさ」を重視する傾向が強いという、一見すると矛盾した複雑な消費行動を示してい。これは、「知っているけれど買ってしまう」という環境意識と購買行動の間のジレンマを抱えていると言えるだろう。彼らは、SNSでの「映え」や一時的なトレンドを楽しむためのアイテムにはUFファッションを活用しつつ、長く愛用したいベーシックなアイテムや本当に気に入った服には品質や環境配慮に投資するという、メリハリのある賢い消費行動をしている可能性がある。
・α世代はまだファッションに対する購買行動が確立途上にありますが、環境問題への意識はZ世代以上に高く、将来的にサステナブルな消費を牽引する可能性を秘めていると言える。彼らが成長し、自身の購買力を高めていく中で、どのような消費行動を取るかは、今後の社会情勢や教育、ブランドの取り組みに大きく左右されるだろう。現時点では、彼らは「環境に優しい選択肢があれば選びたい」という強い意向を明確に示している。
・α世代とZ世代が単なる「流行追い」や「価格重視」ではない、より複雑で多角的な価値観を持つ「賢い消費者」であることを示している。彼らは、SNSを通じて多様な情報を収集し、個人の好みや自己表現を最優先しながらも、品質や環境・倫理といった側面も購買決定の重要な要素として考慮している。
ということが分かりました!