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2025.12.1

Z世代・α世代がスマホアプリの広告について思っていること調査!

皆さんの中には、無料のスマートフォンアプリを利用している方が多いと思います。多くのアプリは、無料で使える代わりに広告を表示する仕組みを採用していますので、毎日見るという方も多いのではないでしょうか。

今回は、アプリの広告に関するアンケートの結果をもとに、Z世代・α世代がスマホアプリの広告について思っていることを皆さんにご紹介します。

調査期間:2025年10月21日~10月27日

思わず最後まで見てしまう広告はどんな広告か

α世代では、「ゲームのように操作できる広告」が約36.4%と最も高い割合を占めており、次いで「マンガ広告」が約30.3%と高い関心を集めている。この2つの形式だけで全体の約66.7%を占めていることから、α世代はインタラクティブ性やエンターテインメント性の高い視覚的なコンテンツに強く惹かれる傾向があると言える。一方で、「動画広告」や「静止画広告」といった受動的な広告形式は、それぞれ約6.1%と低い割合に留まっている。

Z世代では、「ストーリーのある広告」と「ゲームのように操作できる広告」が共に約30.4%と同率で最も高い割合を示している。このことから、Z世代も体験型の広告や、単なる情報伝達に終わらない引き込まれるような物語性を持つ広告に魅力を感じる傾向が強いことがわかる。α世代で高かった「マンガ広告」はZ世代では約13.0%に留まり、相対的に低い結果となっている。また、「静止画広告」は約4.3%と最も低い割合であり、静的な広告への関心はα世代以上に低いことが示唆される。

広告元のサイト(商品ページなど)にアクセスしたことはあるか

α世代では、サイトへのアクセス経験がある人のうち、約73.9%が「誤タップ」によるものであると回答している。「広告の内容が気になってサイトを訪れた」という純粋な興味によるアクセスはわずか約8.7%に留まっている。この世代において、SNSやアプリの広告を通じてサイトへ遷移するほとんどのケースが意図しないものである現状が浮き彫りとなっている。

Z世代でも、約80.0%というさらに高い割合で「誤タップ」によるサイトアクセスが報告されている。純粋な興味によるアクセスは約13.3%とα世代より若干高いものの、依然として少数派である。「ない」と回答した割合はα世代より低く、何らかの形で広告元サイトにアクセスした経験がある人が多いことが伺えるが、その大半は意図しないアクセスであることが分かる。

実際に商品やサービスを購入・利用したことはあるか

α世代では、SNSやアプリ広告を見て実際に商品やサービスを購入・利用した経験がある人はわずか約4.3%に留まっている。実に約95.7%が購入・利用経験がないと回答しており、この世代にとってSNS・アプリ広告が直接的な購買行動に結びつくケースは極めて稀であることが示唆される。

Z世代でも、「ない」と回答した割合が約86.7%と依然として高いものの、「ある」と回答した割合は約13.3%と、α世代よりは高い結果となっている。しかし、それでも大多数のZ世代がSNS・アプリ広告を通じて商品購入・サービス利用に至っていない現状がうかがえる。

最近見た広告の中で、特に記憶に残っているもの

α世代においては、「ゲーム」に関する広告が記憶に最も残りやすい傾向にあり、回答者の約66.7%がこれを挙げている。これは、α世代がデジタルネイティブであり、ゲームコンテンツに日常的に触れる機会が多いことを示唆している。次いで「ポイ活」と「アダルト向けコンテンツ」がそれぞれ約16.7%を占めており、ゲーム以外にも、個人の興味関心や利用状況によって特定の広告が記憶に残るケースがあることが分かる。

Z世代についても「ゲーム」広告を記憶に残るものとして挙げている。この結果だけを見れば、Z世代においてもゲーム広告が記憶に残りやすい可能性が示唆される。

両世代に共通して、「ゲーム」広告が記憶に残る傾向が非常に強いことが明らかとなった。これは、ゲーム広告がしばしば動画形式でストーリー性やインタラクティブな要素を含んでいること、またはターゲット層の興味を強く引く内容であることが要因として考えられる。過去の考察で「ゲームのように操作できる広告」や「ストーリーのある広告」が最後まで見られやすいという結果が出ているが、これらの要素が記憶定着にも繋がっているのかもしれない。

まとめ

今回のアンケートから、

・両世代ともに、「ゲームのように操作できる広告」が高い関心を集め、最後まで見られやすい傾向にある。特に「ゲーム」に関する広告は、両世代にとって最も記憶に残りやすい広告ジャンルであることが示されている。これは、エンターテインメント性が高く、視覚的・体験的な要素が強い広告が、ユーザーの関心を引きつけ、印象に残りやすいことを示唆している。逆に「動画広告」や「静止画広告」といった受動的・静的な広告は、両世代ともに最後まで見られにくい傾向があった。

・両世代ともに、広告元のサイトにアクセスした経験の約7割から8割が「誤タップ」によるものであった。純粋に広告の内容に興味を持ってアクセスする割合は1割前後と極めて低く、広告のクリック数やアクセス数が、必ずしもユーザーの能動的な興味関心を表しているわけではないという実態が浮き彫りとなった。

・広告を見て実際に商品やサービスを購入・利用した経験があるユーザーは、α世代で約4.3%、Z世代で約13.3%と、両世代ともに非常に低い割合であった。これは、「誤タップ」によるアクセスが多いという実態と相関しており、たとえ広告がクリックされても、それが直接的な購買行動には結びつきにくいことを示唆している。

ということが分かりました!